一汁三菜の味

日本の伝統的食文化の長所・魅力について書いてあります。

日本の伝統的食文化の長所、先哲に学ぶ命の重み

人種・民族間の差別・偏見の解消

私たち人間は、すべて、人間であることそれ自体において、侵すことのできない尊厳と価値を持っている。それゆえ、私たち人間の間では、いかなる差別も偏見も許されないはずのものである。なぜ、差別や偏見が許されないのか、いまここで、次のような視点からアプローチしてみることも必要であろう。

 

 私たちは、生まれるときに、男に生まれるか女に生まれるかを、あたりまえのことであるが、選ぶことはできない。私たちは、男あるいは女として生まれた後、やがていくつか年を重ねてから、自分が男であるとか女であるとかを意識するのである。つまり、私たちの性別は、私たちの選ぶことのできないものとして、したがって私たちの責任の及ばないところで、好むと好まざるとにかかわらず、運命として与えられてしまうものである。

 

 同様に、私たちは生まれるときに、どの民族、どの人種に生まれるかも、あたりまえのことではあるが、自らが選ぶことはできない。私たちは、生まれた後、やがていくつか年を重ねた後、自分がどの民族、どの人種に属するかを意識するのである。それも、また、私たちの選ぶことのできないものとして、したがって私たちの責任の及ばないところで、好むと好まざるとにかかわらず、運命として与えられてしまうものである。

 

性別・人種・民族というものが、そのように、自己が好むと好まざるとにかかわらず、自己の選ぶことのできないものとして、したがって自己の責任の及ばないところで与えられてしまうものだという事実だけからしても、そのことが、なんらかの差別や偏見の根拠になってはならないことは明白である。

 

しかるに、現代社会には、人がどの性別、どの人種、どの民族に生まれ、属しているかという、ただそれだけの理由からの差別や偏見がいまなお随所にみられる。これこそ、まさに、「いわれのない差別・偏見」と言わざるをえないだろう。